活字をこえて

製本と修繕を習っています。本に関することや考えたことの記録。

20181128【製本修行】弟子入り3日目 表紙貼り

思いがけず業務が多かったが、残業してほしそうなチーフに謝りつつ工房へ。
バスを待つ間、残しておいた昼ご飯のあんパンを食べる。小雨。
前回固めた背が、強いプレスで耳のようになったというので、角背上製本にすることに。短いハンマーで耳を作るように斜め下に叩く。コツコツコツ。
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こちらは師匠の手。55年使っている鉄のハンマーには、なんと指の形に凹んだ手形がついている(!)
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そして、天地の寸法を測って3mm×2足し、耳から小口までの寸法を測り、黄ボール紙を切りそろえる。背あての寸法も必ずぴったりに切り出す。そうしないとチリがうまく出ないらしい。わたしがやると2mmずれた。
緑のクロスを選び、その3枚を並べて1.5ミリ余白を取って切り出す。ボンドでしっかり貼る。ボンドを薄める割合は、長年の経験だそう。
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ボンドをつけてからの作業は素早く。梅雨の時期はクロスが丸まってくるとのこと。厚紙と竹でしっかり貼り合わせ、一晩乾かす。湿っていると箔押しがうまくいかないそう。
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まだ時間があったので、林芙美子の本と新しく入手した2冊(絵本と詩人の本?)をこわす。だんだん慣れてきたかも。変な反故紙の背あては出てこなかったのが、残念。
忘れないよう、同時並行でなるだけ多く補修の練習をしたい思い。
道具に関して、皮すきは買ってこなきゃね、とのこと。刃物屋さんを訪ねよう(どこにあるんだろう…。)あと、伏見にあるという製本資材の会社に万力と角板(A4用)が売っていたらいいのだけれど…。

今夜は娘さんはお出かけで、奥さまがお茶を入れてくださった。香りの高いお茶と、ココナッツクッキー。(師匠は「えびせんか?」と言っていた)
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次回はいよいよ箔押しと、本体と表紙の接合。